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スパイスの薬膳効果とその効能について。【2章】

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~スパイスの薬膳効果とその効能について。【1章】の続き~

 

それでは2章、前回の続きをいきましょう。

前回はスパイスの歴史的背景から、

その時代の流れ、宗教的の菜食などについて、

スパイスの文化を解説してきました。

 

今回2章では、

スパイスについての

「効能」、「薬膳効果」、「健康効果」について、

詳しく解説してきましょう。

 

<スパイスとは?その効能、薬膳効果について解説>

 

スパイスと言っても、その数は何種類あるか、

私でさえ、把握していないくらいあります。

色々な種類、香り、味、使い方、効能、健康効果、全て違います。

 

スパイスは全てが植物性です。

日本では七味、一味など他にも、薬味として使われるものがスパイスですね。

誰が思いついて使い始めたのかも謎だと言われています。

 

そして、スパイスは、カレーなどの料理だけでなく、

中国や、台湾などでは、料理や、漢方薬の原料としても活用されていて、

消化を促進したり、胃腸を整えるなど非常に高い薬膳効果があるとされていますね。

 

中東エリアのインド周辺諸国では、アーユルヴェーダの考え方に基づいた、

家庭療法が根付いている、生薬・漢方薬として、

日常の生活にスパイスが取り入れられています。

 

普段から、常食しているカレーには当然入っていますし、

飲み物、フルーツなどにもスパイスをふりかけて食べる慣習があります。

 

日常から、スパイスの香りに囲まれている彼らの環境は、

もはや、スパイスの無い生活は切っても切れないものです。

では、そのスパイスの種類について、その効能や、健康効果などを見ていきましょう。

 

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<カルダモン>

抗酸化効果、抗炎症作用、疲労回復、消化促進、

整腸作用、解熱効果、口臭改善、などが期待できます。

写真からもわかるように、ブラウンとグリーンの2種類があります。

実の大きさ、色、形、香りも全く別物です。

 

インドでは風邪や、熱が出たとき、これをそのまま噛んで、

解熱剤として使うこともあります。

 

実際、グリーンカルダモンを噛んでみると、

中の種部分を噛んだときにクチの中で冷たく感じます。

緑色のさやに入っておりさわやかな香りが特徴。
カレーにも、チャイにも欠かせないスパイスですね。

ブラウンカルダモンでは、グリーンよりも実が大きく、

スモーキーでさわやかな香り、ミントのような特徴的な香りです。

 

そして何より、このカルダモンの不思議なことは、

単体では、カラダを冷やす効果があるのですが、

他のスパイスと混ぜて使うと、カラダを温める作用に変わるのが特徴です。

なんとも不思議ですよね。

カルダモンの解説だけで10行以上も書きましたが、まだまだ続きます。(笑)

 

 

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クローブ(日本名はチョウジ)

クローブの効能は、整腸作用、歯の痛みを抑える、

カラダを温める、などの作用があります。

 

名前の由来は、多々あり、

形がT字をしているところからきているとも言われています。

 

体の内部の冷えからくる、不調に対する処方に使われるようですね。

その作用は「温中降逆」と言って、胃腸を温め、

上った気を下方に納めるもの。 冷えによる腹痛や、

消化不良、しゃっくりなどに対する漢方処方に用いられます。

 

実際に、私が、歯科医院に時間無くて行けないとき、痛みの激しい部分に、

このクローブをクチの中で入れておくと、正露丸ぽい香りがしますが、

数時間である程度、痛みから解放されます。

チャイにもカレーにも、欠かせないスパイスです。

 

 

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<フェヌグリーク>

滋養強壮、食欲増進、解熱作用、など、

北アフリカ、アジアおよび南ヨーロッパでは、

フェヌグリークは、伝統的に糖尿病の治療や、

母乳育児中の女性の泌乳量を増やすために使用されていました。

現在では、フェヌグリークはサプリメントとして糖尿病や月経痛に対して、

また、母乳育児中の泌乳刺激として良いとされているようですね。

 

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マスタードシード

マスタードシードには色々種類があります。

イエローマスタードシードディジョンマスタードシード

イングリッシュマスタードシード、皆さんもご存知の粒マスタード

日本で、売られている種類としてはこの種類が代表的です。

 

薬膳効果としては優れた殺菌力、防虫効果、

消化促進、血行促進、神経痛の緩和、

注目の抗がん作用をもつ成分も入っており、

アンチエイジング効果をもたらす抗酸化作用、抗炎症作用など、

様々な効能が期待できるようですね。

 

 

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<クミン>

カレーには一番欠かせないメインになるスパイスのひとつですね。

クミンには、食欲増進や消化促進、抗がん作用などがあるとされています。

また、胃痛や腹痛などにも効果があるようです。

 

さらに、近年の研究でクミンには、

ダイエット効果があるということが、報告されています。

これは、クミンに含まれる植物ステロールによって、

コレステロール値や体脂肪が減少していることによるものとされています。

 

副作用として注意点

クミンはせり科のアレルギーがある方は摂取しないようにしましょう。

副作用が出てしまうと蕁麻疹やのどのかゆみ、呼吸困難になる恐れがあります。

また、クミンは辛みの強いスパイスなので、

妊娠中の方など胃に刺激があると危険な方は摂取しないようにしたほうがいいですね。

それらに加えて、クミンは香りが強いスパイスなので、

クミンを大量に摂取すると体臭がきつくなることがあるので注意しましょう。

 

 

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コリアンダー

これは皆さんもご存知の原料で、パクチーですね。

甘く爽やかで、ほのかにスパイシーな香りのスパイスです。

世界最古のスパイスのひとつで、

コリアンダーは、数千年前の古代エジプト時代から、

薬用や調味料として人類が用いてきた最古のスパイスのひとつと考えられています。

 

メソポタミアの各地から発掘された、

楔状文字板(けつじょうもじばん/紀元前3500年頃)の香料植物リストの中にも、

その名が刻まれています。

薬用としては、医学の祖と呼ばれる、

ギリシャヒポクラテス(紀元前460~370年)が、

「胸やけを防ぐ」などとその効用を説いたとされているようですね。

インドカレーの主役となる最重要スパイス。

スパイシーな香りのベースとなります。

 

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ターメリック

これも皆さんがご存知のウコンです。

肝機能アップのドリンク剤などにもなっていますよね。

ターメリックは、生姜科の植物の根茎です。

 

商品として出回っているのは、乾燥後に粉砕されたパウダー状のものが一般的。

色は鮮やかな黄色をしています。

カレー料理の黄色もこのターメリックからきているもの。

 

ターメリックの原産地は、インドなどの熱帯アジア。

「インドのサフラン」とも呼ばれています。

多くのスパイスをブレンドする際は、それらの仲を取り持つ働きをするため、

インド料理においては欠かせない鮮やかな色を出すスパイスでもありますね。

 

効能としては、消化促進、肝機能促進、関節炎の痛みの軽減、

殺菌作用、抗アレルギー作用、解毒効果、月経調整など、

効果が期待できるようですね。

 

 

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<カイエンペッパー>

カイエンペッパーとはスパイスの種類の名前で、

熟して赤くなった唐辛子の実の部分を乾燥させたもののことを指します。

強い辛さが特徴のスパイスで、

辛さの単位であるスコヴィル値が3万~5万ととても高い値です。

カイエンペッパーの唐辛子の品種は特定されている訳ではなく、

赤く細長い形状で香りや辛味がスパイスとして使うことができるものの、

総称になります。

 

カイエンペッパーの名前の由来は、

フランス領である南米のギアナに首都である

カイエンヌで作られていたことから、名付けられたとされているようですね。

他にもギアナが原産の赤トウガラシの中でも、

特に辛いカイエンヌ種で作られたものを

カイエンペッパーと呼ぶなどの説もあるそうです。

 

スパイスの中では辛いものの類になります。

ほとんどのスパイスは辛くないのですが、

辛いイメージはこのスパイスからきているかもしれませんね。

 

効能としては、血行促進、消化促進、食欲増進、鎮痛効果が期待できるでしょう。
カイエンペッパーに含まれる辛味成分であるカプサイシンには、

上記に挙げたような様々な効能が含まれています。

 

辛味健胃薬としての作用があるので、

食欲増進効果や新陳代謝アップなどが期待できるでしょう。

他にも鉄分やカルシウム、ビタミンなどの栄養成分が豊富なので、

積極的に摂りたいスパイスの一つです。

 

ですが、あまりこの辛いものばかりを

積極的に摂りすぎるのは、逆効果とも言えますね。

 

ちなみにですが、チリパウダーだけは全く別のスパイスなので、

カイエンペッパーの代用としして間違って使わないように注意してください。

 

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<シナモン>

シナモンは、皆さんも身近にあるスパイスですよね。

カレー、洋菓子、和菓子などにも古くから使われているスパイスです。

独特な強い甘い香りと、漢方では古くから桂皮と呼ばれ、

胃腸薬として使われて来ました。

 

シナモンの効能としては、血流改善、毛細血管の修復、

胃腸の消化を助ける、発汗と解熱作用、殺菌効果、など、

古くはミイラの防腐剤にも使われていたようです。

カラダを温める作用もあるのですが、摂りすぎは逆効果です。

 

 

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ガラムマサラ

最後に、

ガラムマサラとは、「ガラム」=「熱い」、

「マサラ」=「混ぜたもの」という意味の言葉だそうです。

「混ぜたもの」という名前のとおり、

数種類のスパイスをパウダー状にして混ぜ合わせたミックススパイスです。

単一のスパイスではなく複数の種類をミックスしているため、

効果もいろいろなものが期待できるというわけですね。

 

どのスパイスを入れて混ぜるかの定義もなく、

数種類のスパイスを目分量で混ぜていたり、

インドの各家庭で、そのスパイスの配合も、異なり、

家ごとに先祖伝来の秘伝の配合レシピだったりもします。

 

一般的には「シナモン」「クローブ」「ナツメグ」という、

3種類のスパイスをベースに作られることが多いようです。

ガラムマサラ=「辛い」というイメージを持たれがちですが、

ベースとなるこの3種類には辛みはほとんどなく、

ブレンド次第で辛くないガラムマサラも実際にあります。

 

私の仲のいいインド人の友達も、

そのレシピは誰にも教えられないシークレット(秘密)だと言ってましたね。

 

ガラムマサラの効能としては、

全てのスパイスの効能が合体していて、

カラダを温める作用、血行促進、食欲増進、消化促進、

胃腸の働きを良くする効果、など色々な健康効果が期待できるでしょう。

 

 

 

3章では、

~スパイス使い方で香辛料でお腹を壊す原因と対策について~

を書いていきます。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。♪

 

~スパイスの薬膳効果とその効能について。【3章】へ続く~